Tamagawa cirmon at night

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大学へ

 先日、久々にレポート作成のための資料を借りに大学へ行った。

 

 私は去年の3月からシェアハウスを始めたため、現在の家から大学に登校する機会はこの一年間一度もなかった。実家から通っていたころは、家から片道2時間を要する通学であったため、大学への通学がオンライン授業によってなくなった当初は、面倒で無駄な移動時間がなくなり有意義な時間が増えたと喜んでいた。しかし、今回久々に大学に行くため電車に乗ったが、これはこれで悪くないなと思った。現在は、実家より大学に近い場所に住んでいるため、通学時間もかなり短く楽になり、かつ初めて現在の家から大学に向かう。そのこともあり新鮮さを感じつつも、登校が既に非日常になっていることも同時に実感した。

 

 最寄りの駅に着き、あまり大きく変わっていないことに少し安心感を覚える。去年まで毎日見ていた駅、コンビニ、大学通りの商店街。卒業した母校を訪れるような奇妙な懐かしさを感じながら大学への歩みを進めた。

 

 正門では警備員による検温が実施されていた。私の通う大学では、実習・実験等が必要な一部の対面授業は大学で行われているため、人の出入りはある。だが私の前に一人入構する人がいたが、他には警備員しかおらず、キャンパスは閑散としていた。学生証を見せ、検温、入構。キャンパスにいる人の数を制限しているため、誰が何時に入構したのかチェックしているようだ。

 

 自分の学科の授業が行われていた館を見に行くも、教室は誰もおらず、併設されているコンビニと書店以外には誰も人の気配はなかった。本当に自分はここに通っていて、現在もこの大学の学生なのか。実感のない大学生活にそんな疑念も浮かぶ。図書館に行けば誰かしらいるかもしれない、そう思い当初の目的を果たすべく、さっそく図書館へと向かった。

 

 3人。私がおずれたときに同じく図書館にいた職員以外の利用者は、私を除き3人しか見かけなかった。人がいたからどうかしようとも思っていなかったが、ここまでのキャンパスの変わりようには少し悲しくも思えてくる。3人のうち2人は遠くの席で一緒に勉強しているらしく、横を通りかかったときに見えたのは公務員試験の参考書だった。確かに誰もいない図書館での勉強は集中する環境には最適の環境である。そしてやはり、大学図書館ともなるとその圧倒的な蔵書量である。家の近くの地域図書館とは比べ物にならない。レポートで使う資料検索が一息ついた折、絶版で高額になっていた読みたい本を検索したら、所蔵されていて借りることができた。春休み中など大学図書館に赴くのもありかもしれぬ。せっかく学費を払っているのだ、こんな状況だが使えるものはとことん利用しようと思った。

 

 そうこうしているうちに入構できる時間も期限に迫り、資料で重くなったかばんを背負い、キャンパスを後にした。世間の状況を見るにまだまだ大学での授業はできそうにない。今回のように、意識的に行こうと決めないともう訪れることはないのかもしれない。この状況下で気づいたら「もう行かなくてもいい場所」になってしまうのは寂しいと思った。